2010年03月20日

絵から抜け出した子馬


絵から抜け出した子馬.JPG

むかしむかし、ある村のお寺に、絵をかくのが何よりも好きな小僧さんがいました。

お経も覚えずに、ひまさえあれば絵ばかりかいていました。

「仏さまに仕える者が、そんな事でどうする。絵をやめないのなら、寺を追い出してしまうぞ」

和尚さんからきびしくしかられても、やっぱり絵をあきらめることができません。

そこで夜中にこっそり起きて、絵をかくことにしました。

ある日の事、小僧さんは子馬の絵をかきあげました。

まるで生きているみたいで、自分でも見とれるほどです。

小僧さんはうれしくなって、和尚さんに見つからないように、自分の部屋にかくしておきました。

ところがしばらくたってこの村に、困ったことが起きました。

すっかり黄色くなった麦の穂(ほ)を、食い荒らすものがあらわれたのです。

豊作だとよろこんでいたお百姓さんたちは、とてもくやしがりました。

「こんな悪さをするやつは、とっ捕まえて殺してやる」

お百姓さんたちは畑に小屋をつくって、さっそく見張りをすることにしました。

するとその晩、どこからともなく一頭の子馬があらわれて、麦畑の中へ消えていくではありませんか。

「さては、あの子馬が麦を食べるのかもしれないぞ」

「それにしても、なんてきれいな子馬だ」

見張りのお百姓さんたちは、こっそり子馬のあとをつけました。

そんな事とは知らない子馬は、うれしそうに麦畑を駆け回ると、立ち止まってはおいしそうに麦の穂を食べました。

「やっぱり、あいつだ」

「もう、ゆるせない」

お百姓さんたちは飛び出して、子馬をとりかこみました。

「逃がすんじゃないぞ」

「それ、追うんだ」

お百姓さんたちが必死で追いかけて行くと、馬はお寺の中にかけこんでいきました。

「なんだ? お寺で馬を飼うわけないし、あずかったという話も聞いていないが」

不思議に思いながらも、次の朝、お寺に行ってみるとどうでしょう。

馬の足あとが、てんてんと小僧さんの部屋まで続いているのです。

「まさか」

お百姓さんたちから話を聞いて、和尚さんが急いで小僧さんの部屋に行ってみました。

するとそこには、子馬の絵をだいた小僧さんがすわっていました。

子馬は今にも絵から飛び出そうと、じっとこっちを見ています。

「こ、こ、この馬です」

あとからやってきたお百姓さんたちも、その絵を見て思わず息を飲みました。

泣き出しそうになっている小僧さんを見て、和尚さんが言いました。

「よし、よし。これからは、自由に絵をかいてもいいぞ」

そんなことがあってから、小僧さんは仏さまの絵をたくさんかいて、村の人たちにわけてあげました。

村の人たちは、みんなその絵を家宝にして、大事にしたということです。


                ・・・・・・・・おしまい・・・・・・




ニックネーム ku-ちゃん at 09:59| Comment(10) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月19日

青がえるの妖精


青がえるの妖精.JPG


むかしむかし、大きな森の小さな家に、ウィルヘルムという男の子が
お母さんと二人きりで住んでいました。

ウィルヘルムの家はひどい貧乏なので、ウィルヘルムは学校へ行かずに
森でたきぎを集めて、それを町へ売りに行ってお金にかえていました。

ある日の事、ウィルヘルムがいつもの様に森の中でたきぎを集めていると、

「ぐえっ、ぐえっ」

と、カエルの鳴き声がしました。

ウィルヘルムが鳴き声のする方へ行くと、大きなキツネが青ガエルを捕まえて、
今にも食べようとしています。

「まて!」

ウィルヘルムが大声を出すとキツネはびっくりして、青ガエルを置いたまま森の
中へと逃げて行きました。

「危ないところだったね、大丈夫かい? ここは危険だから、ぼくと一緒に家においでよ」
 
ウィルヘルムは青ガエルを上着のポケットに入れると、たきぎのたばをかついで
家に帰りました。

「お母さん、この青ガエルを飼ってもいい?」

ウィルヘルムはお母さんに、青ガエルがキツネに食べられそうになった事を話しました。

「そうね。飼ってもいいけど、ちゃんと世話をするのですよ。死なせたらかわいそうだから」

「はい」

ウィルヘルムは大きなおけに水を入れると、その中で青ガエルを飼う事にしました。

さて、それから不思議な事がおこりました。

誰がいつ入れたのか、たんすの中からたくさんの金貨が出てきたのです。

お母さんはそのお金で、ウィルヘルムを村の学校に行かせました。

ウィルヘルムはとてもよく勉強が出来たので、村の学校を一番の成績で
卒業すると都の学校に行き、とても立派な学者になりました。

(わたしたちが、こんなに幸せになれたのも、青ガエルのおかげだわ)

お母さんはそう思って、ウィルヘルムのいない間も、青ガエルの世話を
一生懸命しました。

ある日の事、ウィルヘルムが久しぶりに自分の家へ戻って来ました。

ウィルヘルムは、おけの中にいる青ガエルのところへ行って言いました。

「ぼくは、立派な学者になる事が出来たよ。さあ、お前もテーブルのそばへ来て、
一緒に食事をしておくれ」

「ケロッ、ケロケロ」

青ガエルはうれしそうに返事をすると、おけから飛び出しました。

するとそのとたん、青ガエルは美しい娘さんに変わったのです。

お母さんもウィルヘルムもびっくりしていると、娘さんが言いました。

「わたしは森の妖精です。
一生懸命働いているあなたを見て、何かしてあげようと青ガエルに
姿を変えていたのです。 たんすの中へお金を入れたのは、わたしです。
あなたは思った通りの、とてもやさしい人です」

ウィルヘルムは、この娘さんをお嫁さんにして、お母さんと三人でいつまでも
幸せに暮らしたそうです。



            ・・・・・・・・おしまい・・・・・・・・






ニックネーム ku-ちゃん at 14:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月18日

金の卵を産むにわとり

金の卵を産むにわとり.JPG


あるところに、一羽のニワトリを飼っている貧しい男がいました。

ある日の事、このニワトリが金のタマゴを一つ産みました。

男はビックリして、叫びました。

「これはすごい! 高く売れるぞ!」

ニワトリは次の日も、金のタマゴを産みました。

また次の日も、また次の日も、毎日一つずつの金のタマゴを産みました。

おかげで貧しかった男は新しい家に住み、おいしい物を食べ、
きれいな服を着る事が出来ました。

「おれもずいぶんお金持ちになった。

でも、おれよりも大きい家に住み、おれよりも高い服を着ている奴は大勢いる。

ニワトリがもっとたくさんのタマゴを産んでくれればいいのだが。

・・・まてよ。

あのニワトリの腹の中には、金の固まりがあるに違いない。

そうだ、それを取り出せば、おれはもっと金持ちになれるぞ」

男はそう思って、すぐにニワトリのお腹を切り開きました。

でも、金の固まりなど出てきません。

ニワトリは死んでしまい。男はすぐにお金がなくなって、また貧乏に
なってしまいました。

このお話しは、欲張るのはほどほどにして、今、自分が持っている物で
満足しないと、今持っている物も失う事になる事を教えています。


           ・・・・・・・おしまい・・・・・・・

ニックネーム ku-ちゃん at 10:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

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